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2008年10月13日

2008.10.13

桃森ミヨシ/槇村さとる/谷川史子

このところ少女・女性誌方面の作家さんの情報に疎くて、読むのはどうしても前からフォローしている人の単行本ににかたよってしまいがち。誰か面白い新人さんを教えてくだされ。

「悪魔とラブソング」既刊5巻 桃森ミヨシ 講談社マーガレットC 

前作「ハツカレ」をかなり赤面しつつ読破した(嫁は照れくさ過ぎて読了できず)ことを思えば、今作はずいぶん雰囲気が異なる。ていうかむしろ前作が特異だった?主人公マリアの造形は、美人ではあるがあまり主人公向けのそれではないと思う。でも、あるいはだからこそ不器用さ加減の描写が秀逸で、巻を重ねるごとに表情豊かになってゆくマリアへの思い入れたっぷりに読み進むことができた。描かれているのはいじめであったり青春の蹉跌であったり人間再生であったりするけれど、テーマにがっぷり四つで読後感を重くしてしまうような野暮なことなく、ドラマと人物描写を前面に出して飽きさせない。これでこそ漫画。そして最新5巻におけるマリアと あんな の関係には、日本の少女漫画家の底力を見る思いです。

「Real Clothes」 既刊5巻 槇村さとる 集英社クイーンズC

とってもメジャーな槇村さとる先生、これが初読です。実生活ではまず縁のないアパレル業界が舞台で、こんな世界があるのかと驚かされることしきり。まあ自分の知る業界が題材のマンガでは誇張や誤解が目に付くことがままあるので、鵜呑みにするものではないものの。”流行”を作る側に問われるセンスと論理・実務のせめぎ合いがスリリングです。やり手のくせに自分のことを「見てて痛々しい人」と言えてしまう田渕の冷静さと「うまくなんかなりたかねーよ」という本音が実にリアル。一方で「つまらないものを着ていると つまらない一生になるわよ」と真顔でおっしゃるモードババア、これがまたトップセラーだというのだから面白い業界だ。つまり、ユニクロばっかり着ていては人間としてダメということですね。サーセン。

「おひとり様物語」既刊1巻 谷川史子 講談社ワイドKC Kiss

どちらかといえば中編の名手だと個人的には思う谷川先生。昨年、青年誌デビューしたときも短編連載だったものの、作風はいつも通りな上に完成度も高くてホッとしたものですが、今回はテーマが「おひとり様」なだけに新境地。これまでのような恋愛の成就や再発見を軸にした物語とは異なる手合いで、やや試行錯誤中なところがなきにしもあらず。かつて「魔法を信じるかい?」で作品の対象年齢を少し上げた感があった頃も、似たような手馴れ無さを感じました。まあそれも「積極-愛のうた-」あたりで完成を見たと思うし、今回のテーマもいつかモノにしてくれるだろうと期待してます。第7話の等身大さ加減が秀逸でした。

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