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2008.10.17

カラスヤサトシ「おのぼり物語」

読後すぐ感想を書く機会はあまりないが、これは是非。

おのぼり物語」 カラスヤサトシ 竹書房バンブーコミックス

恐らくカラスヤ作品を知る殆どの人が感じたと思うが、予想外の叙情に驚いた。あけすけな自虐ネタを持ち味としてじわじわと売れてきた経緯は、その題名もふざけた代表作カラスヤサトシ」にほぼリアルタイムに記録されているが、本作はそこに至る少し前、上京して3年余りの回顧録。いつもは過剰な受け狙いで飾られた自分語りが少し抑えめになり、作者の身の丈に合った天然なボケも心地良く、孤独な上京生活の描写が淡々と語られてゆく。相変わらず上手くはない絵柄が、かえって朴訥とした語り口を連想させて味わい深いとさえ思える。おそらく、こういう作品に仕上がるとは作者自身も想像しなかったに違いない。”ええもん拾った”と思わせてくれる一冊です。

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