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2011.08.07

超人ロック・風の抱擁(長期連載作品の再評価について少し)

超人ロック 風の抱擁 第1巻 聖悠紀 少年画報社YKコミックス

宇宙史と共に人生を歩むほど長寿のロックが、特殊能力はあれど普通の寿命しかない女性・ミラと連れ合いとなり、彼女と晩年を過ごす描写から始まる渋い導入部です。これまで見覚えのないロックのドクター姿や、ESPの教官として(嬉々として)暴れまわる姿がとても新鮮。帯に”新シリーズ始動”と書いてあるものの、実際には今はなきビブロス社から刊行され、現在はメディアファクトリーから復刊されている2冊の単行本「カデット」「星辰の門」の続きとなる物語。多くの登場人物やエピソードが引き継がれているので、知らなくても面白いけれど読んでいれば更に楽しめます。10年も前に刊行された本ですが、忘れずに続きを描いてもらえるのはファンとして嬉しいですよね。
回想シーンというかメインストーリーの方の若いミラと、現在の時間軸で語られる年老いたミラ。若返りの技術が一般的なようで見た目は同じなんですが、佇まいは明らかに描き分けられているあたり流石。上官であるロックに説教するジャイルズいかにも軍曹(実はパティシエ?)がいい味出してます。ヨシノ元長官も相変わらず元気で何より。過去の登場人物が年老いつつ活躍することができるのも、長寿シリーズならではの楽しみです。来年には商業誌デビュー40周年を迎えられる大ベテラン、ほぼ同世代の和田慎二先生は鬼籍に入ってしまわれましたが、まだまだロックの続きを読みとうございます。これからもどうかお元気でいていただきたいものです。

多くのマンガ評論家の先生方が、こういう長寿作品をどう評価されているのか聞いてみたいですね。ネットや新聞雑誌でレビューを受ける作品は新作・新人がほとんどで、長期連載の再評価などは滅多にお目にかかれません。マンガは連載されながら単行本が続々と刊行されてゆくので、一冊本でない限り、最初の1巻だけで全てを語ることは不可能です。最初は大したことなくても終わってみたら大傑作みたいな作品も過去にはあるはずですし、連載開始当初やアニメ・ドラマ化の熱が去った後もコツコツと物語を紡ぎ、面白い作品を長く描き続けておられる作家さんは沢山います。そういう作品・作家をレスキューするのも評論家の仕事だと思うのですがどうでしょう。発表の場を提供する出版・ネット関係者がいないだけかも知れませんが、日本を代表する”マンガ読み”の先達の、そういうイイ仕事をもっと見てみたいです。

…それにしてもフォローする漫画家さん達の平均年齢が本当に高くなってきて…自分もええ年なので当たり前といえばそうなんですが…、少女漫画方面の”24年組”の方々は上記の聖先生や和田先生よりも数年上、ガラスの仮面の美内すずえ先生で同期くらい、若い若いと思っていた絶チルの椎名高志先生やケロロの吉崎観音先生も既にデビュー20年を越えていて少々吃驚です。羽海野チカ先生や荒川弘先生あたりも若手と言うより中堅だし、果たして若い世代の作家の感性に今後ついてゆけるのか少々心配だったり。

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