カテゴリー「日記・コラム・つぶやき」の記事

2024.02.18

ひとり立ち強制執行

4年間、だいたいアコースティック音楽サークルの活動で余暇を埋め尽くしていた娘。嫁が子供の頃から習わせていたピアノ=キーボードに加えアコギとカホンを扱えるようになり、それはそれで人生が豊かになって良かったのですが、得意の対人スキルで半年前に無事内定をゲットしてからは専ら、NPO絡みのボランティアで得た人脈を生かした町おこし活動に目覚めてしまいました。上記の音楽スキルを生かしたライブイベント、これも子供の頃から仕込んでいたコーヒードリップ(ネルではなくペーパーフィルターですが)の技を出店で披露したり、本を題名が分からないようラッピングし、表に貼り付けられた紹介文だけを頼りに選んでもらうロシアンルーレットな企画など色々考えては実践、春からは我が家から 二駅離れた場所に独居の上で好き放題やる予定だった模様。

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ところが、内定先から勤務地・東京圏のオファーが3週間前に届いてしまい、家族でガックリ。“9割方は希望通り大阪勤務でしょう”との甘言に つられたとはいえ、週末が必ず休みではないこと前提で100%大阪勤務だった同業種の別会社を蹴ったことへの後悔しきり。まあ文句言っても内定蹴るわけにもいかず仕方がないので、さっそく両親を引き連れて部屋を確保に東下りすることになりました。

伝手となったのは母親(嫁)の幼馴染。我が家を購入する際にもお世話になった、全国区の不動産チェーンの販売網を頼りました。勤務地が東京23区内に散らばり、また1割程度の確率で横浜にもなり得る状況(確定は4月の研修明け)ではピンポイントで探すこと ままならず、ざっくり小田急線か中央線沿線で探すことになったものの、初日土曜の時点で上がった候補は どこも一長一短。駅近で便利なら部屋は超狭い、しっかりした広いマンションなら閑静過ぎてコンビニもない不便な立地等々。うんうん悩みながら一日目終了。ちなみに娘は昨日いっぱい、取り潰し予定のビルの一角を使ったイベントでコーヒースタンド+αを担当していて二徹の状況で東京入りしており、心身ともにボロボロの状態でしたが、一日耐えきった上に夜ぐっすり寝たら二日目は見事に復活。若いな。

そして二日目日曜の朝、幸いなことに飛び込んできた新物件が なかなかの好条件。古めの物件でオートロック有り宅配ボックス無しながら、繁華な商店街を抜けたところにあるマンション最上階、しかも南東角の使い易い真四角10畳部屋。本来冷蔵庫を配置すべき場所に給湯器と少々謎な間取りながら、これで東京圏8万強なら十分許容範囲。一泊覚悟で来た甲斐がありました。娘としては7万円台に抑えたかったようですが、モタモタしているうちに良い物件は次々契約されていくと思われる中、たった2日間の限られた時間内に出会えたこの物件とは“縁があった“と考え、背中を押しました。

部屋空間が決まれば夢も広がるもので、さっそく娘は狭い台所の代わりに愛用の屋台(木製折り畳み式の販売台)を設置、その上で色々調理したいなど。ロクに料理経験もないのに、と思いつつ、そこは嫁の守備範囲なので任せるとして、私はスマホやネットの契約を如何に安く抑えるかに注力することにしました。

独り暮らし自体は元々希望していたものの、掃除洗濯食事など全て母親に任せっきり、生活力の まるでない自宅生あるある状態な娘が、いきなり遠方で独り立ちできるとは思えず色々心配ですが、そこは親にとって子離れの機会。本人にも一度イタい目に遭ってもらって身に沁みれば学ぶところもあるだろうと考えています。安月給なので外食控えて自炊となれば、最寄りの24時間営業のスーパーが大いに味方になってくれるでしょう。しっかり生活基盤を整えた上で、やりたがっていた週末の町おこし活動を東京でも繰り広げてもらいたいものです。眼の前の商店街には活気があるので、そのへん楽しみにしているようで、ちょっと凹んでいた東京行にも前向きになってくれたのは幸いでした。

3/2追記》

いろいろ準備もあるはずなのに、娘は相変わらず毎日おでかけ、人に会う予定が途切れないようです。こちらにいるうちに繋いでおきたい人脈なのだろうと理解はしますが、もうちょっとマンションの契約書とか読み込めよ、と嫁と一緒にボヤいております(^^;

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2011.03.12

2011.3.11

心のどこかで、阪神淡路大震災を超える大災害など私が生きているうちには起きないだろうと思っていました。発生から一日半と経っていない今、被害は漸く全貌を見せ始めたに過ぎません。

もどかしいですが、関西圏に住まう我々は今、ただ見守るのみです。貴重なインフラを浪費することを考えれば、個人的に駆けつける術があったとしてもするべきではない。なにより明日になれば、己の日常が否応なくやってきます。

動くべき時が来るなら自ずと知れましょう。せめて義援金くらいは、可能な範囲で十分尽くしたいと思っています。

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2009.04.25

町の本屋さん(その2)

職場の最寄駅近辺には昔、2軒の本屋があったんです。うち1軒は大学時代よく通っていたのですが、もう10年も前に閉店。駅裏にあったもう1軒も、つい最近暖簾を下ろしてしまいました。

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高架下通路に面して書棚をドーンと置いて雑誌を陳列。今時珍しい大胆な店構えで、万引きとか多いんじゃないかと心配でしたが、半年ぶりくらいに足を向けたらドラッグストアに変わってました。寂しかったなあ。

仕事帰りに立ち寄る本屋は他にないものか、と探してみたらホントに少ない。かろうじて、帰り道とは逆方向、5分程歩いたところにあるオフィスビルの地下に1軒ありました。

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ビルの地下に小じんまりと色々な店が並び、商用スペースとしてひととおり完結している感じの一角にあります。さすがに狭いですが、全ての書籍が手の届く範囲にある感じは町の本屋そのもので、思わず雑誌を1冊立ち読み。その間、オフィスの人らしき客が定期購読雑誌を取りに来たりしていました。幸い店番のおばちゃんもうるさくなく(笑)、続けて20冊ほど並べられた新書のタイトルを眺めつつ中身をパラパラ…こんなこと、大型書店だと品揃えに圧倒されてしまって、やろうという気にもなりません。次に文庫本コーナーへ。メジャーな藤沢周平とかでも数冊しかありませんが、前に映画になっていた「蝉しぐれ」あたり一寸手が出そうになりました。いかんいかん、積ん読の元。

書店の棚というのは店主、あるいは担当店員の”作品”なのだそうです。限られたスペースを埋める品揃え、陳列法、POP… わざわざ本屋に足を運んでくれる客の目に、自分の勧めたい本がいかにアピールするか。そういう工夫に乗っかって、全く初見の本に手を出すのもまた楽し。
ベストセラーをネットで買うのもいいけれど、今、目の前にある本が”面白そう”だから買う。これこそ本当の意味で”本との出会い”じゃないの?なんて思ったり。 …偉そうに言うなら、もっと本を読めと自分にツッコミ(笑) 当面、上橋菜穂子”守り人”シリーズの文庫新刊待ちです。通勤カバンに入りっぱなしの 中島らも を先ずやっつけねば。

本屋を愛する人は、このマンガ読むと面白いと思います。→ 久世 番子 「暴れん坊本屋さん」


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町の本屋さん(その1)

電車通学だった中高生の頃、利用していた阪神電車の最寄駅は駅前にパン屋と本屋しかなくて、電車待ち時間の寄り道といえば買い食いか本屋で立ち読みでした。今よりずっと本を読んでいた時期で、良さげなタイトルをパラパラめくっては題名をメモし、後日古本屋で漁る、みたいな感じ(^^; ヒマに明かせて全く知らない分野の雑誌をめくったり、まだビニールを被せる習慣のなかったマンガ単行本をひとしきり読み込んだり。もちろん、たまには買ってました。そんな思い出もあってか、本屋さんに入り浸るのはけっこう好きです。

「本屋の匂いが好き」という話はよく聞きますが私もそうです。あの匂いをかぐと、しばらく俗世間から離れて自分だけの世界に入れる感じがします。そしてそんな空気を満喫したいなら、大型書店やチェーン店ではなく断然”町の本屋”が良いです。
今の家に引っ越すとき、諸々の条件をクリアした候補地から選んだ理由のひとつがコレだったりします。最寄駅ふたつの一方の駅前に1ヶ所、もう一方の駅前から続く商店街の中に3ヶ所と、今や希少価値さえ感じられる町の本屋さんが近所に4ヶ所もある生活はさぞ楽しかろう…などと考えたわけです。(引越し時期に前後して、ひとつは閉まってしまいましたが)
それぞれの駅前には、上記とは別にブックファーストが一軒ずつあって、売れ筋の品揃えはいいし便利に使えますが、こうした店はどこに行っても雰囲気が同じで面白くないですよね。で、そこから歩いて2分の距離にある本屋によく通っているのです。

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改札からの距離はブックファーストより近いけれど、横断歩道を渡らなければいけないので立地的には若干不利。そのせいか、閉店時間をブックファーストの21時よりも遅い22時半に設定したりして頑張っているようです。売り場面積は絶対的に小さいし、コミックの新刊は全てが入るわけじゃない。欲しい本が必ず見つかるわけではないけれど、それでもなるべく通います。

「ネットで評判のあの本が読みたい」というニーズに応えるには、大型書店の方が絶対的に有利。卸業者にしてみても、売上実績がある店にこそ商品を卸したいから、小売店である町の本屋では人気作品の在庫を潤沢に揃えるのは難しいでしょう。加えて万引き被害の大きさに耐えられず、店を畳む書店も最近多いとか。
だから本を買うとき(私の場合はコミックが大半)は、なるべくブックファーストではなくこちらの本屋さんで買うことにしています。といっても、私の好むマイナーな作品は入荷していない事も多いので(汗)鉄板で入っているメジャーな連載作品に限られますが、それでも月に二、三千円くらいは売上に貢献しているはず。ポイントカードもよく貯まります。店番のおねえさんは私の顔を覚えてくれていて、「コミックカバーは不要です」と言うまでもなく裸で手渡してくれます。ちょっとしたことですが、また来よう、という気になりますよね。 (続く)

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